「日も沈んできたし、俺らも帰るか〜」


「そうだね。…二人共、方向別だったよね?」


あたしと佳澄が同じ方向、悠叶と智輝が同じ方向で帰られるようになっているのがあたし達のすごいところだよね。


「じゃあね!寄り道せずに帰るんだよー」


あたしがふざけて言うと智輝が「そんなガキじゃねーよ」と返してきた。


「ゆ、悠叶もまた明日ね!」


少し緊張しながら手を振ると悠叶の片手を上げてくれた。


「おう、気をつけて帰れよ」


「う…うん」


逆方向に歩き出した悠叶の背中を見ながらあたしは小さくため息をついた。


…やっぱり告白なんてできっこないな。