「最近日暮れるの遅くなったよな〜」


智輝が空を見上げて言った。


それにつられて空を見るとまだ空は青く澄み渡っていた。


春の終わりを告げるかのように優しい風が吹いた。


「もう春も終わるね。高校入って初めての夏だ！」


「そうだねぇ。何かドキドキしちゃうね〜」


はしゃぐあたしと佳澄を見てフッと鼻で笑った悠叶を肘で小突いた。


「いてっ」と言いながら背中の下あたりをさする悠叶にあたしは言った。


「何笑ってるの？悠叶だってワクワクするでしょ？」


「あんま変わんないんじゃね？別に普通でいいって言うか」


…この男は楽しむってことを知らないの？人生損してるな…。


「ふーん？あ、もしかして一緒に遊んでくれる友達が少ないとか？」


「いや、それはねぇよ。こいつめっちゃ人気だから」


すかさず智輝が言った。