「星羅ー！おはよー！」


「佳澄！おはよ！じゃあ行こっか！」


日曜日、いつもの商店街ではなく駅前に集合したあたし達は電車に乗って隣町へと向かっていた。


電車に揺られて10分ほど経って、佳澄と他愛もない話をしていると急に佳澄が「ねぇねぇ」と身を乗り出してきた。


「最近茅野とどう？」


どうって言われても…。


「別に何もないよ？先週一緒に帰ったくらいで…」


「え！？ちょっと待って！何その話聞いてないんだけど！」


あれ？佳澄に話してなかったっけ？


大体何かあったら佳澄とは報告し合うようにしているけど先週のことは話し忘れていた。


あたしは悠叶が告白を断ったこともその後の意味深な言葉のことも全部話した。


「俺は…かぁ。それってもしかしてさぁ『俺は…誰のことも好きにならない』とかかぶれたこと言おうとしてたんじゃないの？」


「うわぁ…ありそう…」


澄ました顔でそう言う悠叶の顔が浮かんで佳澄と吹き出して笑ってしまった。