「そういうの考えてないって今は彼女作る気ないってこと？」


さっきの悠叶の言葉が気になって聞くと「おー」とやる気のない返事をされた。


「まぁ悠叶なら作ろうと思えば作れるでしょ？」


「まぁな？俺だし？」


この余裕がムカつく…人の気も知らないで。


「でも、付き合うなら本当に好きな人にしないと相手が可哀想だし悠叶のためにもならないからね？」


「好きな人ねぇ…」


あたしの言葉を繰り返して悠叶が立ち止まった。


「ん？どうかした？」


あたしも立ち止まって悠叶を見ると悠叶は静かにあたしを見つめていた。


「俺は…」


何かを言いたそうにしていたがフッと小さく笑うと「何でもねぇよ」と言うとまた歩き出した。


「何それ！教えてよ！」


「教えねーよ。生意気な星羅にはなー」


気になって仕方ないあたしをからかいながら悠叶は結局家まで送ってくれた。