校門近くの桜の木の下で悠叶と1人の女の子が向かい合っている。


女の子は下を向いてモジモジしているように見えた。


この雰囲気は…告白かな。


もう人気もまばらになったとはいえあんな出入り口でしなくても…。


学校から出るにはあの桜の木を横切らなければならない。


つまりあの2人の横を通らないといけないわけで…。


き…気まずい…。


何で好きな人の告白されてるとこ見ながら帰らなきゃいけないんだろう…。


なるべく2人を見ないように距離をあけて通り過ぎようとしたけど近づくにつれて徐々に声が聞こえてきた。


「入学した時から気になってて…ずっと見てました」


うわぁ…やっぱり告白かぁ。


「好きです！付き合ってもらえませんかっ！」


悠叶の返事が気になったあたしは魔がさして通り過ぎた後、門の陰に隠れた。


「…あー、ごめん。今そういうの考えてないから…」


しばらくの沈黙の後、悠叶が気まずそうに切り出した。