佳澄がまたニヤニヤしながら聞いてきたけどあたしは「残念でした」と一言言った。


「俺たちもさっき玄関で会っただけ」


悠叶の言葉を聞いて佳澄が少し残念そうに「そっか…」と返事をした。


ちょっと!なんで残念そうにするわけ!?怪しまれるじゃん!


「あー笑った笑った。じゃ、俺今日日直だから日誌とりに行ってくるわ!」


ひとしきり笑った智輝は職員室の方へと歩いて去っていった。


「あたしもちょっと先生に呼ばれてたから行ってくるね〜」


佳澄もそう言うと颯爽といってしまった。


「…なんて人騒がせな人達だ…」


疲れたあたしが気力のない声で言うと悠叶はまたプッと吹き出して「そうだな」と言った。


「あ、そうだ。さっき言ってたやつ」


教室の前に着いた時悠叶が立ち止まった。


さっき…?何話してたっけ?


「どんな性格でも女は女だし気を付けろよ」


それだけ言い残すと悠叶は隣の教室へ入っていった。