「星羅、帰ろっ」


1日が終わり、クラスメイトがチラホラと教室から出て行く中、1人の女の子があたしの元に来た。


鎖骨までの髪を後ろで団子にし、白色のショルダーバッグを下げたぱっちり二重の彼女は『杉坂佳澄(ｽｷﾞｻｶｶｽﾐ)』。


佳澄はあたし、『白橋星羅(ｼﾗﾊｼｾﾗ)』の大親友だ。


「あっ、うん。ちょっと待っててね。すぐ片付ける！」


あたしは机の中から教科書を取り出してカバンの中に突っ込んだ。


あたしの通う高校は特別偏差値が高いわけでもなく、普通くらい。


倍率もそんなに高くないから基本誰でも入れるが専門の勉強ができるからあたしはそれが目的でこの高校に入った。


佳澄とは中学から友達だったけど特に仲が良いというわけじゃなかった。


でも高校に入って同じクラスになってからは一緒に話すことが増えて次第に仲良くなっていって今じゃ大親友と言える仲にまでなった。