1 April

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!!これからの楽しい高校生活を是非楽しんで下さいね。」

今日から高校生になる。
(もう中学の時みたいにはならない、)
そんなことを思いながら始まる高校生活
期待に胸が膨らんではち切れそうになる。

僕のクラスは1年C組だった。
どんな人がいるのかな?少しドキドキする。
「おっ!!お前1Cか??
一緒にいこーぜー」
「??...えっと」
「あー俺鳴橋 彪牙(なるはし ひゅうが)って名前、お前は??」
「あっえっと、松田 悠灯(まつだ ゆうひ)」
「ゆーひ、な!!俺の事は好きなように呼んでくれ」

鳴橋君は金髪にキラキラ光る緑がかった黒い瞳、明るくて元気そうな性格。
正直に言えば僕の1番苦手なタイプだけど、とってもいい人そうだった。
(友達になれるかな...)

「おー1Cここっぽいな!!担任良い奴だと良いけど笑」
「そうだね笑
鳴橋君と近い席になれたらいいなー」
「......」
「鳴橋君??もしかして僕何かしちゃった??」
「...いい、お前可愛すぎる!!
なんだよ席近くになれるといいなーとか可愛すぎるだろ!!俺も絶対近くがいい、つか離れたら抗議するわ笑」
「?!?!?!そ、そんなことないよ??
う、うん。ありがとう??」

そんなことを話していたら担任の先生が入ってきて、席が発表された。
僕の席は...窓側の後ろから2列目だ!!
「俺窓側の1番後ろだーゆーひ2列目??
ちけーじゃん、やったー!!」
「うん!!」

「はい落ち着けーつか座れー笑」
それから担任の先生を含めたクラス全員の自己紹介をすることになった。
「まず俺なー、これから1年お前らの担任をする美術の新井 和之(あらい かずゆき)だ。歳は永遠の30歳、絶賛彼女募集中。」
「せんせー彼女いないんですか??爆笑」
「はい山口うるせーとっとと自己紹介しろー」
そんなこんなで気がつけば僕の隣の席の人の自己紹介。
「日暮 結(ひぐれ ゆい)、猫とお菓子が好き。嫌いなものは授業とプール、よろしく」
本当に猫みたいな人だなーと思う。
自分の自己紹介が終わるとすぐに寝てしまった彼女は長い睫毛と真っ黒な髪が印象的だった。
窓から差し込む日差しを受けて少し眩しそうに目を瞬く彼女はまるで日向ぼっこをしている黒猫のようだ。
(仲良くなれたらいいな、)
すーすーと寝息を立て始めた彼女見ながらそっと思った。