「俺はアニー・ハリソンだと思う」

続いてグレッグソン警部が言った。

「アニーはアイリーンを恨んでいた。殺しの動機は十分にある。おまけにヘアメイク係なら、毒を仕込むのも簡単だろ」

ワトソン先生、そして私も推理を披露する。でもきっと変な推理になってるんだろうな……。

残るはホームズさんだけだ。私はじっとホームズさんを見つめる。その口が、ゆっくりと推理を語り始めた。

「犯人は、監督のジェイベズだ」

「えっ、何で?」

ワトソン先生をはじめ、私たちは疑問をホームズさんにぶつける。

「アイリーンは香水を送られてきた。贈り物ーーーギフトはドイツ語では毒という意味なんだ」

そして、推理を続けていく。言われてみれば、おかしいと思うところもあったかもしれない。

「……これが、犯人だと思う理由だ」

「ホームズさん、すごいですね」

私はそう言うことしかできない。それでも、ホームズさんはどこか嬉しそうにしてくれる。

その時、レストレード警部のスマホが鳴り響いた。