「明日さ、美湖ちゃんの誕生日だよな?」


「今年もプレゼントボックス用意されるのか?」


「去年、めっちゃすごかったよな!段ボール3つ分だぜ」


「いやいや、5こだって!」



段ボールの数などどうでもいい。


それより問題は、星名の誕生日が明日だってことだ。


自分が祝ってもらっておきながら何もしないなんてあり得ないだろ。


つうか、普通に祝ってやりたいし...。


女って誕生日に何がほしいんだ?


誕生日プレゼントなんか渡したことないからわかんねえよ。


こういう時は百合野に聞けばいい。


オレは急いで百合野に電話をかけた。


しかし、出ない。


窓側に行って向こう側の6組を覗くものの、百合野の姿は見えない。


ったく、何やってんだよ!



「波琉!ちょっと来て!」



うわ、マジか。


百合野は仁王立ちしてこちらを睨んでいた。


はいはい、今行きますよ。