嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編

大晦日。


年越しそばを食べ、「ハッピーニューイヤー」を言い終えると、お父さんはすぐさま眠りについた。


わたしはお父さんの茶碗と自分の茶碗を洗い、少しだけカウントダウンの余韻に浸っていた。


深夜ぶっ通しでやっている音楽番組には、今流行りの男性アイドルや人気の女性シンガーを始めとするたくさんのアーティストが出演しているみたいだ。


こんな時間によく歌えるね...。


さすが、プロ。


頭が上がりません。


残念ながら明日も早いので、寝させていただきます。


リモコンの電源ボタンを押そうとして、気になる会話が聞こえてきた。



「いやいやあ、今年はうちのメンバーが大学受験なんですよね。法律上今は出られないんですけど、頑張ってほしいですよね」


「へぇー、アイドルやりながら大学行くの?大変じゃない?」


「アイツは誰よりもプロ意識高いんでね。舞台演出とか学べるところに行きたいらしいですよ」


「すごいね!年下なのに感心するわ。俺なんて中卒で芸能界だよ」



この司会者と同じく、わたしも感心した。


そんな素晴らしい人がこの世にいるんだと思った。


おそらく普通に学校に行くだけでも大変なのに、それプラス芸能のお仕事でしょ?


わたしには到底無理だ...。


すぐ、ずっぎょーんって言っちゃいそう。


わたしと同級生のメンバーの方、お互いがんばりましょう。


でも、今日は寝させて下さい。



「それでは新年一発目の曲に参りましょう!なんと、新曲だそうです!
Genius(ジーニアス)でsnow magicです。どうぞ!」



ポチリ。


音楽聞くと眠気が覚めちゃいそうなので、眠い今のうちに寝ます。


初夢、いい夢見られますように...。