嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編

「わたしの過去は以上です。これでおあいこですね。お互いにお互いの過去を背負うことになりましたから」


「そう、だな...」



青柳くんが水を一口飲んだ。


相当緊張させてしまいました...。


ごめんなさい。


わたしも水滴のついたグラスを持ってりんごジュースを飲んだ。


ふぅ...。


あの日と同じ味がした。



「オレも星名もさ、今まで散々不幸な目に遭ってきたじゃん。だから、これからは今まで不幸だった分、楽しく生きよう」


「はい。これからは幸せになることを諦めません。必ず、幸せになってやります」


「だな」



どちらからともなく、グラスを手にする。


もう残り数滴だというのに、笑顔でグラスを高々と持ち上げた。



「これからの幸せに...」


「かんぱーい!」



今まで泣きたかった分、笑っていよう。


今まで嫌われた分、人を好きになろう。


人に好きになってもらおう。


そうやってわたしは生きていきたい。