嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編

そして、訪れた運命の日。


父が買ってくれた大きなクリスマスツリーの木の下に置いてあるプレゼントを開けていた、その時。



「もう!!いい加減にして!!」



母がわたしの頬を殴ったのだ。



「美杜、なにするんだ?!」



父の怒鳴り声が広いリビングにこだました。


わたしは泣きもせず、呆然と母の顔を見つめていた。



「あのね、それはみこちゃんのなの!あんたにはプレゼントなんて無いのよ!勝手に開けないで!」


「なに言ってるんだ?!ことにだって俺がプレゼント買っただろう?!あれはどうした?」


「あんな趣味の悪いおもちゃ、捨てたわ」


「お前、ことに何してるか分かってんのか?虐待だぞ?!」



父が母に近付いていき、パシンっとビンタした。


それを見ながら子どもながらに思っていた。


あぁ、わたし、幸せになれないんだな。


わたしがみんなを不幸にしちゃうんだな。


って。



「うるさいわね!あなただって仕事にかこつけて全く育児なんてしてないじゃない!」


「お前にだけは言われたくない!家政婦任せで自分こそなんもしてないだろ!」


「私は人より何百倍も忙しいの!」


「ふざけるな!子ども達を勝手に巻き込んで忙しいふりしてるだけだろう!お前なんか、需要無いんだよ!」


「何よ、その言い方?!」


「お前こそ、どうにかしろ!」



父と母が言い争いを止めずに何分間も交戦していた...その時だった。



「止めて!」