嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編

翌日。


世間ではクリスマスイブだけど、うちはそんなのお構い無し。


今日も星名食堂は通常営業でございます。


31日と1日しか休みにならない。


祖母いわく、お客様が来なければ、箱根駅伝を見ていられるから、いつもよりは楽らしいけど。


わたしが身支度を整え、1階に下りていくと、いつもなら新聞を読むか、何かの仕込みをしているはずの父の姿がなかった。


てっきりわたしより早く起きてるかと思ってた。


寒いのが苦手だから、布団に潜り込んでいるのかもしれない。


急いで父の部屋に向かい、ノックをした。



「お父さん、おはよう。朝だよ」



しかし、バカでかい声は聞こえない。


どうしたんだろう?


もしかして...倒れてる?


もしそうなら大変だ。


わたしは再度ノックした。



「お父さん、お父さん!大丈夫?!」



やはり、返事はない。


鍵が掛かっていないことを祈りながら、ノブに手をかけた。


あわわわわ...。


手が震えてる...。


焦るな、湖杜。


あのお父さんなら、そんな簡単に倒れるわけない。


大丈夫。


よし!



「失礼します!」