嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編

しかし、そんな新鮮な気持ちはすぐに塗り替えられてしまった。


オレは衝撃を受けた。


駅に向かうバスに乗ったのかと思ったら、違っていた。


オレは...ホテルに来てしまった。


間違いだと思いたかったが、汐泉は焦る様子もなく、寧ろ楽しそうにしている。


オレはバスを降りてすぐに汐泉の腕を掴み、ホテルの中に行くのを止めた。



「汐泉、バス間違えたみたいだから引き返そうか」


「あれ、言ってなかったっけ?今日はここに泊まるんだよ。温泉もあるみたいだし、夕食もバイキングですっごいんだよ!お肉もお寿司もスイーツもあるみたいなんだよね。楽しみ楽しみー!」



マジ、か。


こりゃ、まずいことになった。


汐泉は上機嫌で中に入っていく。


ちらっと腕時計を確認すると時刻は午後4時。


脈拍が上がってくる。


ドクンドクンという心臓の音が聞こえる気がする。


いやあ、でも動揺している場合ではない。


うまく乗り越えるしかないのだ。


覚悟を決めてオレは歩きだした。



夜は刻一刻と近付いてきていた。