「うわぁ、賑わってるよ!これじゃ、クラス分からないじゃん」



女性の裸体像付近にある大きな掲示板に新しいクラスが書かれた紙が貼ってある。


光蘭は不思議なことに毎年クラス替えがあるんだ。


つまり、わたしは慣れ親しんだ6組じゃなくなる。



「ことちゃんはさ、文理選択どうした?」


「わたしはもちろん、理系です」


「だよね~。ことちゃん理系の方が得意だもんね。残念ながら、あたしは文系なんだよ。一応、英文科狙ってるし」


「そうですか...。離れてしまうのは残念ですが、親友ですから、いつでも会えますよ!」


「そうだよね...。こんなんで悲しんでる場合じゃないよね。同じ学校なんだから、会えるよね!」



と、話しているうちに人が分散していき、ようやく掲示板が見られる位置に来た。



「あっ...!」


「あっ...!」



2人で顔を見合わせた。



「あたし、羽鳥ちゃんと桐生くんと同じクラスだ。んで、ことちゃんは...」


「青柳くんと同じです...」



うわわわ...。


朝から沸騰中です!


これはまさしく絵にかいたようなシチュエーションではないですか?!


待ってましたよ、青春。


ラスト1年、存分に楽しませていただきます。



「ことちゃんの青春期待してまっせ~」


「なんで園田さんまで...」



園田さんに肘で小突かれた。


全く、園田さんはいっつもこうなんだから。


と言いつつも1番気の知れた園田さんと離れるのは本当に寂しい。


でも、がんばらなきゃな。


そんなことを思いながら見ていると、後方から声が聞こえてきた。