店の手伝いを終えて夕飯を食べ、お風呂に入ってのんびりしているとスマホが鳴った。
園田さんからみたいだ。
わたしをからかうつもりかな?
なんて軽い気持ちで画面をタップした。
しかし、耳に届いたのは園田さんの深刻な声だった。
「ことちゃん、羽鳥ちゃん知らない?まだ家に帰って来てないみたいなの!」
「えっ?」
「さっき羽鳥ちゃんのお母さんから家に電話がかかってきて...。羽鳥ちゃん、仲の良い友だちってことであたしたちの連絡先はお母さんに知らせてたみたいなんだけど...」
「探しに行きましょう」
「って言ってもどこに?」
わたしは、あの人の顔を思い浮かべた。
何か危害を加えるとしたらあの人だ。
「矢神葉汰を覚えてますか?」
「もしかして、あん時の?」
「はい、藤宮さんのストーカーの1人で、今日放課後にたまたま会ってしまったのですが、その時にわたし、脅されたんです。俺に口答えしたらどうなるか分かってんの、と」
「絶対、そいつの仕業だよ!だけど、一体どこに...」
あの人はストーカー。
だとすれば、藤宮さんを尾行する可能性は十分にある。
「園田さん、藤宮さんは森下先輩とどこで会うとか言ってましたか?」
「かるた部の練習が終わったら、チョコを渡して...そのあとは門限が9時だからすぐに帰るって言ってたけど...」
おそらく森下先輩のことだから、自宅まで藤宮さんを送っただろう。
ということは襲われたとしたらそのあとだ。
「そう言えばさっき、羽鳥ちゃんのお母さんが、帰宅後すぐに忘れ物を取りに学校に戻ったって言ってた」
「ということは、学校ですね」
「確かアイツ、弓道部なんだよ。部室が隣だから、羽鳥ちゃんのカバンから何か盗んで隠しておいて、わざと学校に戻らせたのかもしれない」
「その可能性は十分にありますね。では、向かいましょう!」
「羽鳥ちゃんのお母さんに森下先輩にも連絡してもらう。電話したら、あたしもすぐ学校に向かうし、未悠も出動させるから。だから、ことちゃん、それまでは1人で頑張って!」
「はい、がんばります!」
午後10時半の緊急出動。
お父さんはちょうど入浴タイム。
そして、そのあと娘からのチョコをつまみにビールを飲むんだろう。
わたしはそんな悠長なことしてられない。
藤宮さん、必ず助けますから、待っててください!
園田さんからみたいだ。
わたしをからかうつもりかな?
なんて軽い気持ちで画面をタップした。
しかし、耳に届いたのは園田さんの深刻な声だった。
「ことちゃん、羽鳥ちゃん知らない?まだ家に帰って来てないみたいなの!」
「えっ?」
「さっき羽鳥ちゃんのお母さんから家に電話がかかってきて...。羽鳥ちゃん、仲の良い友だちってことであたしたちの連絡先はお母さんに知らせてたみたいなんだけど...」
「探しに行きましょう」
「って言ってもどこに?」
わたしは、あの人の顔を思い浮かべた。
何か危害を加えるとしたらあの人だ。
「矢神葉汰を覚えてますか?」
「もしかして、あん時の?」
「はい、藤宮さんのストーカーの1人で、今日放課後にたまたま会ってしまったのですが、その時にわたし、脅されたんです。俺に口答えしたらどうなるか分かってんの、と」
「絶対、そいつの仕業だよ!だけど、一体どこに...」
あの人はストーカー。
だとすれば、藤宮さんを尾行する可能性は十分にある。
「園田さん、藤宮さんは森下先輩とどこで会うとか言ってましたか?」
「かるた部の練習が終わったら、チョコを渡して...そのあとは門限が9時だからすぐに帰るって言ってたけど...」
おそらく森下先輩のことだから、自宅まで藤宮さんを送っただろう。
ということは襲われたとしたらそのあとだ。
「そう言えばさっき、羽鳥ちゃんのお母さんが、帰宅後すぐに忘れ物を取りに学校に戻ったって言ってた」
「ということは、学校ですね」
「確かアイツ、弓道部なんだよ。部室が隣だから、羽鳥ちゃんのカバンから何か盗んで隠しておいて、わざと学校に戻らせたのかもしれない」
「その可能性は十分にありますね。では、向かいましょう!」
「羽鳥ちゃんのお母さんに森下先輩にも連絡してもらう。電話したら、あたしもすぐ学校に向かうし、未悠も出動させるから。だから、ことちゃん、それまでは1人で頑張って!」
「はい、がんばります!」
午後10時半の緊急出動。
お父さんはちょうど入浴タイム。
そして、そのあと娘からのチョコをつまみにビールを飲むんだろう。
わたしはそんな悠長なことしてられない。
藤宮さん、必ず助けますから、待っててください!



