嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編

「あの...あの...青柳くん...?」



ヤバいです。


チョコより先にわたしが溶けちゃいます。


今思えば、あんな軽々しくハグしちゃってたわたしって...史上最強にヤバいやつでしゅ。


でしゅって何?


わたし、しっかりして!


壊れるな!


溺れるな!


這い上がれ、星名湖杜!



「これは、本命ってことでいい?」


「いや...その...あの...えっとぉ...」



もう耐えられない...。


あぁ、どうしましょ~。



「おい、タケル、あれ見ろよ!」


「うわっ!イチャイチャしてる!」


「バレンタインだからって浮かれすぎだよな!」


「ははは!」



やばびびびびーん。


み、み、み、見られた!


しかも、小学生のがきんちょに!


最悪だ...。


こんな恥ずかしさMAXの瞬間を肉眼でとらえられてしまうなんて...。



「おい!邪魔するな!」



青柳くんがわたしを離した。


よし!


今だ!



「わたしはこれで失礼します!」


「星名!待て!」



青柳くんが追いかけて来るが、がきんちょたちも青柳くんを追っている。


意外にすばしっこいがきんちょたちに行く手を阻まれ、青柳くんは身動きがとれなくなった。


わたしはラッキーと思って逃げた。


やっと渡せた...。


とりあえず、任務完了。


ご苦労様、わたし。