嵐を呼ぶ噂の学園④ 真冬でもあったかいのは愛です!編

「星名...、一体どうしたんだよ...。はあ...疲れた...」



はあはあ、言って腰に手を添えている青柳くんの目の前に立つ。


よし!


渡そう!


わたしはバッグからチョコを出し、勢いよく差し出した。



「あの...これ、もらって下さい!」



青柳くんが受け取ったら逃げよう。


恥ずかしすぎて死にそうなんだもん。


手はぷるぷる震えてるし、顔はあっつあつだし、足はガクガク。


これ以上ないくらい、危険なんだよ。


お願いです。


早く受け取って。



「星名、顔上げろ」



わたしはぶんぶん首を横に振った。


この顔は完全NGです。


人様にお見せするものではございません!



「じゃあ、そのままでいいから、1つだけ質問に答えろ」


「はい...」


「この箱の中身は本命チョコですか?それとも友チョコですか?」



えっ...。


まさか、その質問...。


ど...どう答えれば...。


と、と、友だち...なんだから、友チョコかな?


友チョコの最上級と言えばよろしい?


で、で、でも、でもでも...わたしは青柳くんが...


青柳くんのことが...


好き


なんだよね?


だったら、これは...


これは...



「こっ...これは...その...」


「星名が決めないなら、オレが勝手に決める」



ふぁっ...。


う...うそ?


わたし、


今、


青柳くんに...


抱かれてる?!