ー 17歳、10月。

私、『めい』は彼氏の『奏(そう)』にある相談をした。それは親と上手くやっていけない事。

悩みを聞いた奏は、「気晴らしにバイクで走るか!」って私を後ろに乗せて、愛車のマジェスティを走らせた。
昔私が通ってた小学校のすぐ近くにあるコンビニにたまたま寄った。普段こんな所こーへんのに。


今思えば、運命かもしれん。
このコンビニに奏が寄ったから、のちに奇跡が起きたんや。


私は特に買うものも無い。奏がお菓子買いたいんやって。
私は奏の後ろについて行きながら携帯をいじってた。特に意味もなくレジを見たら見た事ある人がおる。いや、知ってる人。

私が中学2年生の時、4歳違いの姉の『友紀(ゆき)』がよく家に連れてきていた美容師のお兄さん。名前は確か『隼(じゅん)』くん。私の8歳年上。

昔から人見知りやのに、私は思わず声をかけてしまった。だって昔憧れてかっこいいなって思ってたもん。隼くんは友紀の友達と付き合って、友紀と隼くんが関わりなくなったあとも噂程度で話を聞いたりしてたし、少しだけ気になってたから。

「隼くん!」

でも返ってきた言葉は「誰?」。
焦った私は咄嗟に「友紀の妹!」と言ってみた。
そしたら、「あ〜、めいか!」って。
何で名前覚えてるんやろ、家に来てた頃は喋った事もないのに。多分挨拶した程度。
でも嬉しい。奏の前やのに気持ちはルンルンになってもた。
緊張しすぎてその後少し話したけどぎこちなかったと思う。

あー、連絡先欲しかったな。
でもまだ彼女いてるか。会えただけで嬉しいや。
それだけを考えながら、コンビニから出た。