誰もが幸せになれるわけじゃない。

でも、私は幸せだ。

1日1日を大切に。

この言葉はほんとにその通りだ。

些細なことで言い合いしたり、くだらない話をしたりもっと笑っていたかった。

君の隣にいたかった。

どうして私を選んだの?
どうして私が病気なの?

お母さん、私、幸せになれる?






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「愛美、一緒に帰ろ!」
中学三年生の夏。いつも通りの日々を送っていた。
「うん」
8月12日。私達はバスケ部で毎日練習がある。キツイけど仲間と一緒に頑張れることが楽しくて、嬉しかった。夕方の6時。いつもよりも疲れていたせいなのかふらつく。階段をおりた途端バランスを崩した。
「大丈夫?」
栞里が支えてくれた。なんだか足に力が入らない。
「うん。」
笑顔で答えた。少し怖かったけど最近はあんまり休めてないし疲れが溜まってるせいだと思ってた。

「ただいま〜」
「おかえり。どうだった?」
「疲れた。でも体力もついてきたしレギュラーでいけそう。」
「着替えてきな。」
ズボンを脱ごうと片足でたった途端さっきのようにバランスを崩して倒れた。
「愛美~?大丈夫?」
「うん!」
変だった。まるで自分の体じゃないみたい。そんな日々が続くとある日母から言われた。

「愛美。 なんか最近疲れてない?」
「そうかな?大丈夫だよ!寝てないせいかな?、、」
「そっか…しっかり休みなさいね。」
「うん。ありがと。」


「おはよう!」
「おはよう愛美姉ちゃん!」
「おはよう莉奈。」
「おはよう!」
「おはよう、春樹。」

「あ、莉奈〜ご飯粒着いてるよ~」
「彩は?」
「彩姉まだ寝てるよ。」
「え〜?!お寝坊さんだね。莉奈!」
「うん。」


6歳の妹と11歳の弟。12歳の妹がいる。
皆性格がばらばらでお母さんも大変そうだ。



「今日から2学期に入る。受験シーズンにもなるから気を抜かないように。部活も引退したし全員がしっかり受かるように一日一日を大切にな。」


二学期か…早いな。
もうそろそろ受験。卒業なんて考えたくなかった。










12月_______

「お待たせ!」
「もう遅いよ~愛美!」
「ごめんって。」
栞里との関係はずっと変わらない。
志望校も一緒だし、いつまでも友達ってこういうことなんだろうなって思う。