思えば、

付き合い始めたあの日も、“めんどくさい”だった。



──ねえ。ケイってわたしのこと好きなの?



──えっ……と(めっちゃ直球だな。うわ、これどっちが正解なんだ。好きって言うべきか。でも、まだデート一回しかしてないし、はやいか!?)



──わたし、ちまちまデート重ねるのめんどくさいんだよね。だからわたしのこと好きなら付き合お。





……まあ、もし彼女から言ってこなかったら意気地無しの俺はいつまでたっても告白できなかったかもしれない。


だから、俺と彼女が付き合うことができたのは、

彼女のめんどくさがりのおかげだ。