「息・・・止めてたから・・・」
そう言う千晃の足がガタガタと震える。

事件からまだ数時間しかたっていない。
それなのに事件現場に戻るなんて、ましてや仕事をするなんて無理だ。
匡祐は千晃の体をグイっと自分の方へ向かせると抱きしめた。

「頑張ったな・・・えらいな・・・千晃は・・・」
その言葉に千晃は涙が流れた。

エレベーターが千晃の部屋があるフロアにつく。
そのフロアにはほかの職員はいない。

扉が開くと匡祐は千晃を抱きしめたまま千晃の部屋に入った。

剣持は部屋の外で足を止めた。