しかし、そのあと千晃が二人の声に反応することはなかった。



千晃が目覚めないまま一週間が過ぎた。


匡祐はずっと千晃に付き添っている。

剣持は会社へ出社して千晃が不在中でも仕事が回るようにいろいろと手配をしていた。

「失礼します。」
疲れた顔の剣持が夜になり千晃の病室を訪ねる。

そこには同じように少しやつれた匡祐が付き添っていた。
「会社はどうですか?」
匡祐の言葉に剣持が険しい表情を見せる。