本当は力が生きていた時に作りたかった福祉施設を立ち上げて、障がいを持つ人が趣味や得意なことを仕事にできるような企画を考えて形にしていったんだ。

障がいをもつ子供を失った家族からの支援もあってすぐに事業は軌道に乗った。

福山財閥の残した莫大な負債も全額返済をして、今はちゃんと千晃の隣に立てるようになった。

だからあの日、桐生財閥との食事会があのビルの最上階であることを知って、ビルの隣の公園で俺は待ってた。

千晃のことを。

きっと千晃は俺を待っていてくれているって思っていたから。

千晃の心が色を失う前に、千晃は助けを求めていると思っていたから。


千晃・・・もう少し早く俺が千晃を迎えに行けていたら・・・こうはならないかったのに・・・