力が見つかったと聞いて千晃がその場に駆けつけると、すでに冷たくなっている力を抱きしめながら声を上げて泣いている匡祐がいた。

思わず千晃は匡祐と力を抱きしめた。

大雪が降り積もる日の出来事だった。






その日から匡祐は廃人のようになってしまった。
力の葬儀も無精ひげをはやしてその場に座っていることが精いっぱいで、仕事などできる状態ではなかった。

マスコミは力の事件をまるで匡祐が犯人のような扱いで報道した。

千晃はただただ匡祐のそばにいることしかできなかった。