千晃は少し照れながら匡祐が自分の足を手当てしてくれているのを見ていた。

足の爪は色が変わってしまっていて、全体的に腫れていた。匡祐は専用の消毒をしていく。

匡祐の表情が痛みを感じない自分の代わりに痛みを感じているようで、千晃は心に響いた。

「いたっ!」
千晃の上げた声に匡祐は驚いた。
「痛い?」
匡祐が聞き返すと千晃が痛そうに顔をゆがめた。
「本当に痛むのか?」
千晃が何度も頷く。
匡祐は千晃の痛みを感じたという反応に喜び千晃を抱きしめた。
「そっか。痛いか。そっか。」

まだ完全でなくても温かさを感じたり、痛みを感じている千晃に、これからの希望を持つことができて、匡祐は喜びを隠せない。

「二人で乗り越えような。千晃。」
「うん」
二人は強く抱きしめあい、唇を重ねた。