あなたの愛に包まれて

「よろしくお願いいたします。」
千晃が深々と頭を下げる。取引先の社長が退室すると千晃は会議室の椅子に座った。
「お食事をご用意いたしました。お部屋にお戻りください。」
秘書の言葉に千晃は鋭い視線を向ける。
「いりません」
そう告げると千晃は秘書を置いて先に部屋へ戻った。

いつものように大きな窓から外を見る。

どんどんと葉が落ちていく様子を見ながら千晃は唇をかんでいた。

会いたい・・・


でも・・・


匡祐に会えない・・・


今の自分を匡祐には見せられない。