あれ?
えぇ〜っと……。


「ん?ここ分からないんでしょ?」


そうでしょ?
…というより、当たり前の事でしょ?
とでも言うように彼は私の顔を見る。


『えっあっ、はい!わ…わかんないっす…。』


当たってます当たってます…。
私はさっきまで考えていたことと外から入ってきた情報が違い過ぎて、しばらく固まっていた。


「…?大丈夫?」
『うっ、うん!だ、大丈夫…!』
「………なんでこっち見てたの?」
『…へっ?な…な、なんのことかな〜?』
「…何考えていたの?」


いやバレてるし…
というより、もう誤魔化す方法が無い。
ここは一つ、少しからかってみようかな…


『い…いや?別にこんな優しくてカッコいい彼氏がいて嬉しいなぁって思ってただけですよ?』


…恥ずかしい。
少し、私もダメージをくらった。
そして彼の方向を見ると、一瞬彼の顔が見えたかと思えば、彼の大きな手で私の目を覆われた。
……!!??
見えない見えない見えない‼
今ここで一番見たいのって彼の顔だからね⁉
私は目を覆っている彼の手を掴み、なんとか顔からどける。

するとそこにあったのはいつもの彼の顔だった。


『ちょっ…!何してた、今の時間!』
「さぁな」


嘘だ嘘だ嘘だー‼‼‼


『照れてたでしょ?ねぇ‼』
「……」


黙ったということは肯定の意味?
そう思うと嬉しくなり、自然と口角があがる。


『照れてた?照れてた?』


私は彼の顔を覗き込んでそう尋ねる。
その度に目線をずらす彼。
……なんか………嬉しい。
分かんないけど、嬉しい。
そしたら急に私の肩に手を起き、彼は耳元で何かを囁く。


「―――」
『……⁉』


彼の顔が少し紅かった。
でも、それ以上に私の顔が一気に真っ赤に染まる。
フッと彼は笑うと「次は覚えとけよ」と言いながら私のノートに手を伸ばした。
私は急いでどっかに飛んでいっている意識を戻し、彼の説明に耳を傾ける。
私の意識が吹っ飛んだ理由。
それは彼から言われた言葉が原因。













「……照れて悪いか。好きなんだからしょうがねーだろ、ばーか」