「私からです。」


『・・・・?』


「警視庁刑事部長として、
捜査6課へ応援を願いたい。」


『・・・何かあったんですか?』


「詳しい資料は後ほど送ります。

1課が追っている連続傷害事件の捜査に、6課も秘密裏に加わって欲しい。

双方の捜査状況は私を介して共有されるようにします。」


『“傷害”事件を・・どうして1課だけではなく私達に・・?』



「椎名のお嬢さんがやられた。」


『!!?』


「なんとか一命は取り留めましたが、
被害は甚大です。」


『・・・椎名班長は・・・?』


「今もお嬢さんの傍についています。

“鬼の目にも涙”なんて軽々しい言葉で片付けられるものではありません。

ICUの前で立ち尽くす彼に・・
私は何も言葉をかけられませんでした。」


『・・・・・・・・。』


「身内が事件に巻き込まれた以上、
規定に則り、椎名は捜査から外します。」


『・・・・・・・・・・。』


「・・しかし・・・
君もよく知っている通り・・。」


『今の1課の雰囲気は・・かなり危険な状態なんでしょうね・・。』