朝礼が終わると、
堺さんのアイコンタクトに従って、

高山達に気付かれないようそっと会議室まで抜け出した。



先に入って待っていた堺さんの手には数冊のファイル。


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


“見た方が早い”という無言のメッセージと共に受け取り、中を開く。



「・・・・玉川警察署ですか?」


それは、二子玉川の治安を守る所轄、
玉川警察署が作成した調書のようだった。



「・・・・・・・・!!?」


「3日前、二子玉川の高校に通う男子生徒が、学校からの帰り道に何者かに暴行を受けた。

命に別状は無いが、
右手首の骨を折る重傷だ。」


「・・・・・・・・・・・。」


「被害者の手前、
不適切な言い方になるが・・

これだけ聞けば、“よくある傷害事件”だ。
1課がわざわざ出るような幕じゃない。」


「・・・・・・・・・・・・。」