「松阪さん。あんたの父親は誰だ?」


「・・僕に父はいません・・。
母子家庭で育ちましたから。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「神野さんの事でしたら・・もう調べはついてるんじゃないんですか・・?」


「あんたも氷室コウスケの血を受け継いだ男・・。

ミライとあんたは、
腹違いの【兄弟】だったんだな。」


「僕も最初に聞いた時は驚きましたよ。

氷室さんが入院する前日にここに来て教えてくれました。


母と出会った経緯。捉え方によっては母を“そそのかして”恋心を芽生えさせた事。

そして僕を作ったんだと・・。

あの男は相当自分の血を後生に残したかったようですね・・。」



「あんたはミライの共犯者だな?」


「・・フフッ・・・
違いますよ神野さん・・。」


「・・・・・・・。」


「氷室さんからもう一つ、

【ミライには守秘義務を破ってほしい】
という遺言を授かりました。

僕はそれを忠実に守っただけに過ぎません。」


「・・・・・・・・・。」