エピローグ






バーテンダー  松阪
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“カラン カラン”


「・・いらっしゃいませ・・・。」


「・・・・・・・。」


「もしかして高良さんですか?
随分と見た目が変わ・・。」


「神野。」


「・・・?」


「高良健吾は偽名だ。
俺の名前は神野シン。警察の人間だ。」


「・・・そうでしたか・・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・どうぞ・・。
カクテルでよろしいですか・・?」


「いや、この前の潜入捜査と違って、
今は普通に公務中だから烏龍茶でいい。」




「・・ミライ君・・死んじゃったそうですね・・。警察も酷い事をするものです。」


「・・・・・・・。」


「任意同行をさせて、証拠不十分で釈放して・・挙げ句の果てには射殺ですか・・。

この国も堕ちるところまで堕ちたようですね。」


「新聞に載ってる事が全てだと思うなよ?」


「・・・・・・・・・。」


「病院に着く前に・・
救急車の中でミライは息を引き取った。」


「あなたも同乗していたんですね。」


「最期に俺の耳元で・・
かすれた声で奴はこう言った。

【まだ一人いる。俺は負けちゃいない。】」


「・・・・・・・・・・・・。」