「ヒデさん、最後の詰めはどうする?

ミライの尾行なら1ヶ月でも1年でも続けてみせるけど、

1課のみんなの為にも、
さっさとケリをつけたい。」


『・・・・・・・・・・・・・・。』


「・・・・?・・ヒデさん?」


『・・少しお待ち下さい。
平松刑事部長から電話が掛かってきました。

スピーカーにしてそちらにも聞こえるようにします。』







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『はい、月本です。』


「・・すまないヒデトシ・・。」


『どうしたんですか?』


「漏れた・・!!」


『・・・?』


「先ほど・・椎名班から・・

【氷室ミライの身柄を拘束した】
と連絡がありました。」


『!!?』


「任意同行させて、
赤坂警察署に連行したそうです。」


『・・どういう事ですか・・?

どうしてミライの事を1課が知ってるんですか!?』


「何者かが私のパソコンにハッキングしたらしい・・。

君が送ってくれた中間報告書を見られた可能性しか考えられない。」


『ハッキング・・・・・・!?

平松刑事部長、すぐにスマホも調べてください。』


「え・・・。」


『この電話も盗聴されているかもしれません。またノイズが走っています。』


「!?」



『よほど・・1課の誰かが硫酸魔逮捕に執念を見せているようですね・・。』


「恐れていた事態だ・・。

内偵中だったこの状況では、
ガサ入れの礼状も発行できないぞ・・。」


『こうなったら・・あとは神野くんに任せるしかありません。

すぐに椎名班に、

“広報部からの応援が1人加わる”と平松刑事部長の口から説明お願いできますか?』


「・・・・・・・・?」




『既に・・赤坂警察署へ走って行きましたよ。』






第10章 完