「・・・ヒデさん・・。
俺はもう家に帰るつもりはねぇぞ。」


『・・・ご安心ください。

帰りたいと言っても、
上司命令で帰さないつもりでしたから。』


「・・パワハラ上等だ・・。」


『あと一歩で初代硫酸魔に辿り着くはずです。

それはつまり、あと二歩で二代目硫酸魔の正体を暴くところまで迫っているという事。』


「生徒名簿は揃った。
あとはどうやって絞ればいい・・!」


『今さら、ミドリさんとリンカさんに恨みを抱いていた人物を遡るのは不可能でしょう。

私達に残された突破口は一つしかありません。』


「・・・・・・・・・・・・・・。」




『「どうして犯行が止まったのか。」』



・死亡した
・別件で逮捕された
・大怪我を負った
・居住地が変わった


思いつく限りに、初代の犯行が止まった35年前のあらゆる情報リストと、

セイレンの生徒名簿のクロス検索をかける。



秋以来の泊まり込みとなったが、
疲れは全く感じなかった。


1人目の為・・2人目の為・・

・・椎名さんの為・・・

俺達が不甲斐ないばかりに出してしまった・・4人目の被害者の為・・!


体中から溢れ出るアドレナリンが、俺の体内から眠気と疲れという概念を吹っ飛ばした。