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産婦人科の先生、看護婦さん。

暖かい祝福と共に受け取った母子手帳を見せると、コウスケさんは今までにない興奮を見せた。


“仕事はもう辞めるように”と今まで以上に気を遣ってくれて、今まで以上に優しく接してくれた。


「・・・コウスケさん・・・。」


「どうした?」


「・・もう誰も傷つけたくない・・。」


「・・・・・・・。」


「お願い・・もう終わりにして!」


「・・・・ウハハ・・・当然じゃないか?

お前はその手で7人分の幸せを葬ったんだ。
あとはお腹の子の事だけ考えればいいよ。」


「・・・うん・・。」


「どっちだろうな・・。

俺は絶対男のほうがいい。
いや、間違いなく男の子だ。」



「・・・・名前・・・。」


「ん?」


「男の子でも・・女の子でも・・
“ミライ”って・・名前にしたい・・。」


「ミライか!いいじゃないか。
よし、名前は決まりだ。」


「・・・ミライ・・・・。」