「マユちゃん。」


「はい・・。」


「話が長くなっちゃったけど、今のマユちゃんにも同じ事が言えるんじゃないかな?」


「・・・・・・。」


「この式場はどんな食材を扱って、
どんな料理を提供しているのか。

この式場はどれだけの照明・音響設備を整えて、どんな演出が出来るのか。

この式場のホールは、これだけの広さがあって、これだけの人が呼べて、

これだけのおもてなしが出来る。


いつかここのプランナーとして、

“ここで式を挙げたい”と願う多くのカップルの様々な要望に応えたいなら・・

多くの“幸せ”を生み出したいって君が思ってるなら・・・。」


「・・・・・・・・。」


「今日のマユちゃんの涙は、
絶対に無駄にならないと思うよ。」


「・・・・・・スッ・・・スッ・・・。」


「大丈夫。誰よりもホールの仕事頑張ってるマユちゃんの事はみんな見てる。

きっとそれが認めてもらえる日は来るよ。」


「・・・うわぁぁぁぁん!!!(ToT)」





“ガチャリ”


「おーい、まだ残って・・・・って!?

おいミライ!!
なにマユちゃん泣かしとるんじゃゴラァ!」


「えー!!ちょ・・部長違うんすよ!
これには深い事情が・・・ギャーー!!」






第1章 完