「サトミ大丈夫?一緒に教室行こっ。」


「・・・ありがとう・・
ミドリちゃん・・。」


2年生になって、
少しだけ風向きが変わった。

この学校で初めて・・“友達”が出来た。


成績優秀で、スポーツも得意な土屋ミドリちゃん。

いつも学級委員長を務めて先生からの信頼も厚かった彼女だけには・・リンカも何も言えない。


ミドリちゃんは、私がイジメられているといつもそっと助けに来てくれた。








「おいブス美。」


「・・・。」


「お前なにミドリの後ろに隠れて調子乗ってるわけ?」


「・・・・・。」


「あんまり取り囲んでるとまたミドリに気付かれるから、今日から時短に変えるねブス美♡」


「・・痛っ・・!」


「・・さっさと死ねよ気持ち悪い。」


それでもリンカは、
私へのイジメをやめなかった。

ううん・・むしろエスカレートしていった。


露骨から陰湿へ。


すれ違い様に針を刺されては絆創膏を貼ってごまかした。


お腹や背中のアザを見られたくないから、お母さんの前でも絶対に着替える事はしなかった。


・・・階段から落ちる度・・
“転んだ”と嘘をついてごまかした。