「今回の硫酸魔で言うと、

犯行の最後に必ず“硫酸”を使う。
幸せを手にしている人間を狙う。

という点ですか?」


『はい。このように多種多様ですが、“自分ルール”を何個か設けている場合がほとんどです。』


「・・・・・・・・。」


『そして、自分ルールの中によく挙げられるもう1つ事柄が、

“ターゲットの選び方”です。』


「だからあんたはそこにこだわって調べてたのか・・。」



『神野くんももしかしたら耳にした事があるかもしれませんが、

“鉄槌者”が一つの事例にできます。』


「・・・・・・確か・・何年か前に、
ムコウジマ市に現れたダークヒーロー?」


『ヒーローではありません。
あれはただの連続殺人鬼です。』


「あぁすんません。」


『鉄槌者にも、“自分が勤務していたクリニックに訪れる患者を介して”という、

ターゲットの選び方に“秩序”がありました。

だから今回の硫酸魔にも、
固定された“方法”があったはずです。』


「・・・・・・・・・・・・・。」




不思議な感覚だった。

多分・・6課に来る以前の自分だったら、

ヒデさんの話に全くついていけなかったかもしれない。


でも今なら・・ヒデさんが何を言いたいのか、

どうして天井を見上げて思い悩んでいたのか、自分の中で繋がった。