クローゼット番外編~愛する君への贈り物

(こんなつまらないことを覚えてるなんて…)



最初は少し手間取ったけれど、すぐに要領を思い出した。
あんな昔のことなのに覚えているなんて…



そもそも、なぜ、俺は花冠の編み方なんて知ってるんだろう?
きっと、教えたのは母さんだとは思うけど。
ミシェルになぜ花冠を編んだのかも覚えていない。
だけど、ミシェルはそれをとても喜んでくれて、ここに来た時は、いつも花冠をねだられた。
考えてみれば、おかしなことだ。
普通なら、花冠を編むのは女の子なのに、ミシェルは俺にねだるばかりで決して自分では編もうとしなかった。



今は、以前に比べて大きく編まなくてはいけない。
昔のことを思い出しながら編んでいると、どこかくすぐったいような気分になり、ひとりで失笑した。



(……出来た!)



我ながらうまく編めたと思え、俺は、湖に向かって駆け出した。



「ミシェル……!」

彼女は、木にもたれて眠っていた。
今日は、そう高くはないとはいえ裏山にも上ったし、やっぱり、少し疲れたのかもしれない。



俺は、ミシェルの頭にそっと花冠を乗せた。
サイズは、彼女の頭にぴったりだった。



(ミシェル…良く似合うよ…)



俺は、ミシェルの隣に腰を下ろし、彼女が目覚めるのを待った。