クローゼット番外編~愛する君への贈り物

その後も、ミシェルの体調は快調だった。
シュミットさんは、彼女の誕生日と結婚式の準備で、俺達以上に忙しくしていた。



「ミシェル…もしも、具合が悪くなったらすぐに言うんだよ。
いいね?」

「はい、わかりました。」



彼女の誕生日の一週間ほど前からここを出て、無理のない距離を馬車で移動しながら、彼女の故郷・ダースの町を目指す。
いくら元気になったとはいえ、何日も続く移動は、やはり心配だった。



だが、少し前のあの心細げな彼女とはまるで別人に思える程、彼女は心も体も元気だった。
移動中の馬車の中でも、とても楽しそうに、ずっと外を見ていた。







「あと二日だな。
疲れてないか?」

「見ればわかるでしょ?
私はこの通り、とても元気よ。
家に戻れるんだと思ったら、私…とにかく嬉しくて…」

「そうか、良かったな。
あとちょっとだから、頑張ろうな。
とはいっても、無理は禁物だぞ。」

「わかってるわ。
ジョッシュったら、本当に心配性ね。」

肩を揺らしながらくすくす笑うミシェルを見ていると、俺も釣られて同じように笑ってしまった。
そういえば、彼女は最近、本当に良く笑うようになった。



(やっぱり、君は笑顔が一番だよ…)