クローゼット番外編~愛する君への贈り物

そう言えば、俺は魔女の血を引いてるとかなんとか言われたけれど、もしかして、母さんが父親のことを話してくれなかったのは、そのことに何か関係があるのだろうか?



「あ……」

物思いに耽ってる時、不意に扉が開いた。
使用人に付き添われたミシェルが現れ、俺の鼓動が俄かに速くなる。



「……どうかしら?」

俺もシュミットさんも、何も言えなかった。



「二人共、どうかしたの?」

感極まったのか、シュミットさんはしきりに涙を拭っていた。
かくいうこの俺も、胸がいっぱいになって、今にも泣いてしまいそうだったんだ。
それほどに、ミシェルは美しかった。
まるで、森の精霊かなにかのようだった。



「き…綺麗だよ、ミシェル…」

「お父様…泣かないで。
何も今すぐ結婚するってわけじゃないのよ。
ドレスを試着しただけのことよ。」

動揺する俺たちに対して、ミシェルはとても冷静で…
彼女は、愛し気にシュミットさんの手を握った。



「ジョッシュ…どう?」

俺の方に向き直ったミシェルが、問う。



「……信じられない程、綺麗だよ。
君はきっとこの世界で一番綺麗だ。」

「もう、ジョッシュったら…からかわないで。」

「ジョッシュはからかってなんていないぞ。
私もそう思う。
私は世界一美しい娘を持てて、最高に幸せだ。」

泣き過ぎて鼻を赤くしたシュミットさんが、そう言ってミシェルを抱き締めた。