クローゼット番外編~愛する君への贈り物





気が付けば、ここへ来てもう半年近くの時が流れていた。
ミシェルの様子を見ながら、少しずつ薬を変えて、その度に、ミシェルの容体は一進一退を繰り返していたが、ここに来て、彼女の体調はとても良くなっていた。
食事も少ないながらも三食食べるようになったし、自分の足で歩いて庭を散歩することも出来るようになっていた。



そのことに対して、ウェルス医師は奇跡だと言った。
彼女の容体から、回復することなど、本来はありえないのだと。
だけど、彼女は実際に回復しているのだ。
それが、奇跡であろうとなんであろうと。



「ジョッシュ、見て。
薔薇が咲いたわ。」

「そうだね。とても綺麗だ。
でも、君の美しさには敵わないけどね…」

ミシェルは、どこか驚いたような顔で俺を見た。
結婚詐欺師をしていた頃の名残で、つまらないことを言ってしまった。
しかし、口にしてしまったことはもう戻せない。



「あ、ミシェル…あそこにも薔薇が…」

俺は、話題を変えようと、近くの薔薇を指さした。



「……会わない間に、ジョッシュはどこか変わったわね。」

「そ、そうか?」

「ねぇ…私はどうかしら?
昔と比べて変わった?」

「そうだな……うん、変わった。」

「そう?」

ミシェルは、少し戸惑ったようにそう言った。