クローゼット番外編~愛する君への贈り物





ミシェルとの時間が増えるのと比例して、彼女の容体は少しずつ良くなっていった。
今までより食べる量も増えて、顔にもほんの少し赤味が差すようになり、シュミットさんは涙を流さんばかりに喜んでいた。
シュミットさんのことを恨んだこともあったけど、結局、シュミットさんは誰よりも深くミシェルを愛しているんだ。
今までの俺や母さんへの冷たい仕打ちも、それゆえのことだったんだと思うと、もはやシュミットさんを恨むような気持ちは全くなくなった。



「ミシェル…今日から、ちょっと薬を変えるよ。
これも飲みにくい薬だけど、頑張って。」

「そんなことなら全然大丈夫よ。まずい薬は子供の頃から飲みなれてるから。」

ミシェルは、小さく笑った。



母さんの記録した帳面を何度も読み、そこから、ミシェルの症状を良くする薬を何種類か作った。
母さんがいてくれたらもっと心強いのだけど、今は俺だけの考えで作るしかない。
極力、彼女の体に負担のかからない、そして、症状が改善出来る薬を時間をかけて考えた。
もう一種類、考えた薬はあるのだけれど、それはトルスの山にしかない薬草を使わなければならない。
エイダンにでも手紙を持って行ってもらおうか。



(どうか、良く効いてくれますように。)

薬を飲むミシェルを見ながら、俺は心の中で祈った。