クローゼット番外編~愛する君への贈り物

そういえば、ミシェルは薬を変えてから、眠る時間が少なくなった。
そのおかげで、頭も以前よりはっきりしてるみたいだ。
つまり、ミシェルは俺と過ごせる時間が増えたんだ。
なのに、俺は出歩いてばかりで…



申し訳ないとは思いつつ、薬草のことをシュミットさんの家の使用人に頼んだ。
シュミットさんも、そのことを快く引き受けてくれたから。



「ねぇ、ジョッシュ…町を出てからどこに行ってたの?」

「うん…実は、モルドに行ってたんだ。
ごめんな…シュミットさんがうちに来てくれたらしいのに、いなくて…」

「……私ね…実は、信じてなかったの。
きっと、お父様が嘘を吐いてるんだと思ってた。」

「そうなのか…それはシュミットさんにも申し訳ないことをしたね。
俺は本当に町を出たんだ。
君とはもう会えないと思ってたし、母さんは亡くなってしまったし、なんかもうなにもかもがどうでもよいように思えたんだ。
それで、衝動的にモルドに渡った。」

「そうだったの…
それで、モルドでは何をしてたの?
やっぱり、薬屋?」

訊かれたくないことを訊かれてしまった。
ミシェルを騙すのは心苦しいが、だけど、本当のことはとても言えない。



「うん、いろいろやった。
荷運びやら店番やら…お城の雑用もやったんだ。」

俺は、ぬけぬけと嘘を吐いた。