クローゼット番外編~愛する君への贈り物

「温かい……ジョッシュ…
本当にあなたなの?
これは現実なの?」

「あぁ、間違いない。
俺は、ジョッシュだよ。
今、君のすぐ傍にいる。」

ミシェルの瞳に、いっぱいの涙が溜まり、それが頬を伝って流れ落ちた。



「神様が、ついに私の願いを叶えて下さったのね…
私…毎日、お祈りしていたの。
死ぬ前に、どうか一目でもいいからジョッシュに会わせて下さいって。」

その言葉に、シュミットさんは俯き、涙を拭いていた。
俺も、泣きそうになりながら、何とか必死にその涙を堪えた。
ミシェルが、ずっと俺のことを想ってくれていたなんて…
嬉しくて…哀しくて…申し訳なくて…
何か言おうと思いつつ、言葉を発したら泣いてしまいそうだったから、俺は必死に笑顔を作った。



「ジョッシュ…本当にありがとう。
あなたに会えて…私、もう思い残すことはないわ…」

「ば、馬鹿なことを言うんじゃない。
俺は、これから君といろいろなことをしたい。
話したいことだって、山ほどある。
やっと、シュミットさんが許して下さったんだよ。
俺…ここに来たら、絶対に追い出されると思ってた。
でも、追い出されることもなく、君に会わせてもらえたんだ。
あ…コソ泥には間違えられたけどな。」

「コソ泥……?」

「酷い話だろ?
とにかく、これからは毎日話そう。
君の話も聞きたい。
だから、ミシェル…元気になるんだよ。」

ミシェルは、しばらく間を開けて…ほんの僅かに頷いた。