クローゼット番外編~愛する君への贈り物

結局、その晩は明け方近くまでルイスと酒を飲んでいた。
ひとりになったら、ミシェルに会いに行きたいという衝動を止められないと思ったからだ。



ルイスと話してる間も、気持ちは上の空だった。
耳に入ってくるのは、ミシェルに関する話だけ。



ミシェルはずいぶんと前から、この町にいたみたいだ。
ということは、うちに来なくなった頃すでに、ここに連れて来られたんじゃないだろうか?
今も、シュミットさんが一緒にここに住み込んでいるらしい。



シュミットさんは、確かに昔からミシェルのことには一生懸命だった。
うちに来る時にも、いつも一緒に付いてきていた。
ミシェルには、年の離れた兄がふたりいると言っていた。
きっと、シュミットさんは遅くに出来た女の子のミシェルのことが可愛くて仕方なかったんだろう。



ルイスの働く診療所には、名医と呼ばれる医師がいるらしく、貴族の大半はその診療所にかかっているらしい。



とにかく、夜が明けたら、ミシェルの屋敷の近くに行ってみようと思った。
まだ状況がよくわからない。
シュミットさんにはみつからないように、こっそりと…
ミシェルが庭にでも出て来てくれたら良いのだが…