クローゼット番外編~愛する君への贈り物

「へぇ…そ、そうなのか。
その人かどうかはわからないけど…
で、その娘はどうなんだ?
体調は良くないのか?」

「良くないどころじゃないな。
俺は医者じゃないからよくはわからないが、ありゃあ、もう長くないな。」

「やめろよ!!」

「……え?」

ルイスは、目を丸くして俺を見ていた。



「あ…あぁ、すまない。
よくわからないのに、そんな風に言うのは良くないだろ?
それで、つい……」

「確かに、俺は医者じゃあないが、でも、あんただって、その娘を見たらきっと同じように思うはずだ。
痩せこけて、顔色も悪いし、いつもとても暗い顔をして、笑うことはおろか、しゃべることさえほとんどないんだぜ。」



ショックだった。
まさか、ミシェルがそんなことになっていたなんて…



今すぐにでもミシェルの家に行きたい。
ミシェルに会いたい…!



「その娘の家はどこなんだ?」

「あんた…えらくその娘に興味があるんだな。」

「え?あ、あぁ、知り合いの知り合いだったら、様子を知らせてやろうと思ってな。」

「なるほどな。
シュミットさんの屋敷は、この先の丘の上にある。
一際大きな屋敷だから、すぐにわかると思うぜ。」

「いろいろとありがとう。さぁ、もう一杯、飲んでくれ。」

俺は、ルイスのグラスに酒を継ぎ足した。