「あの……何か?」
「え……?」
不意に声をかけられ、気付くと門の向こう側に若い使用人が立っていた。
「あ…す、すみません。
俺…そのミシェル…ミシェルお嬢様に…」
「お嬢様達はもうここにはいらっしゃいません。」
「えっ!?ど、どこへ……」
若い使用人は、疎まし気な視線で俺をじろじろと眺めた。
「あなた…どなたなんですか?」
「お、俺は、トルスの薬屋の…ジョシュアと言います。」
その時、一瞬、女性の目が大きく見開かれたような気がした。
「行き先に関しましては、口止めされております。
どうぞお帰りを…」
「あ…あの、俺は、別に会わなくても構わないんです。
ただ、薬をミシェルお嬢様に…」
「お嬢様は、今、とても高名なお医者様にかかられておりますから、御心配には及びません。
どうぞ、お引き取りを…!」
女性は、俺に背を向けて歩き出した。
「ま、待って下さい!
俺の母さんの薬はとても効くんです。
お嬢様のことは、子供の頃から診てましたし、絶対に効きますから!」
声を張り上げてそう言ったけれど、女性は振り返ることもなくすたすたと歩いて行った。
「お願いです!
どうか、薬をお嬢様に!!」
俺は、女性の姿が見えなくなっても、何度もそう叫んだけれど…誰も出て来ることはなかった。
「え……?」
不意に声をかけられ、気付くと門の向こう側に若い使用人が立っていた。
「あ…す、すみません。
俺…そのミシェル…ミシェルお嬢様に…」
「お嬢様達はもうここにはいらっしゃいません。」
「えっ!?ど、どこへ……」
若い使用人は、疎まし気な視線で俺をじろじろと眺めた。
「あなた…どなたなんですか?」
「お、俺は、トルスの薬屋の…ジョシュアと言います。」
その時、一瞬、女性の目が大きく見開かれたような気がした。
「行き先に関しましては、口止めされております。
どうぞお帰りを…」
「あ…あの、俺は、別に会わなくても構わないんです。
ただ、薬をミシェルお嬢様に…」
「お嬢様は、今、とても高名なお医者様にかかられておりますから、御心配には及びません。
どうぞ、お引き取りを…!」
女性は、俺に背を向けて歩き出した。
「ま、待って下さい!
俺の母さんの薬はとても効くんです。
お嬢様のことは、子供の頃から診てましたし、絶対に効きますから!」
声を張り上げてそう言ったけれど、女性は振り返ることもなくすたすたと歩いて行った。
「お願いです!
どうか、薬をお嬢様に!!」
俺は、女性の姿が見えなくなっても、何度もそう叫んだけれど…誰も出て来ることはなかった。



