*
(あれが……)
ミシェルの住むダースの町へは、夜明け頃に出て、日暮れに着いた。
それほど遠いというわけではないけれど、徒歩では日帰りが出来るような距離ではないから、来たことがなかった。
俺の住むトルスの町とは違い、とても大きな町だ。
ずらりと店が立ち並ぶ商店街があり、そこの人達が慌ただしく店の片づけをしていた。
昼間に来たら、さぞや賑やかなことだろう。
通りすがりの人にシュミットさんの屋敷を聞いたら、すぐにその場所がわかった。
言われた通りに進んでいくと、木々の隙間から大きなお屋敷の一部が見えた。
(……立派なお屋敷だ。)
大きな門の前で、俺は屋敷を見上げた。
俺の家の何倍くらいあるだろう…?
ミシェルは、こんなにも大きなお屋敷のお嬢様だったんだ…
それは、俺の想像を遥かに越えたものだった。
シュミットさんが、反対するのも当然だと思えた。
ミシェルが気さくだからわからなかっただけなんだ。
本当なら、きっと対等に話をすることさえ憚られる…そんな人だったんだ。
(ミシェル……)
俺は激しく打ちのめされ、門の前でぼんやりと佇んでいた。
(あれが……)
ミシェルの住むダースの町へは、夜明け頃に出て、日暮れに着いた。
それほど遠いというわけではないけれど、徒歩では日帰りが出来るような距離ではないから、来たことがなかった。
俺の住むトルスの町とは違い、とても大きな町だ。
ずらりと店が立ち並ぶ商店街があり、そこの人達が慌ただしく店の片づけをしていた。
昼間に来たら、さぞや賑やかなことだろう。
通りすがりの人にシュミットさんの屋敷を聞いたら、すぐにその場所がわかった。
言われた通りに進んでいくと、木々の隙間から大きなお屋敷の一部が見えた。
(……立派なお屋敷だ。)
大きな門の前で、俺は屋敷を見上げた。
俺の家の何倍くらいあるだろう…?
ミシェルは、こんなにも大きなお屋敷のお嬢様だったんだ…
それは、俺の想像を遥かに越えたものだった。
シュミットさんが、反対するのも当然だと思えた。
ミシェルが気さくだからわからなかっただけなんだ。
本当なら、きっと対等に話をすることさえ憚られる…そんな人だったんだ。
(ミシェル……)
俺は激しく打ちのめされ、門の前でぼんやりと佇んでいた。



